今はギリ土曜日でしょう。
なぜか俺の仕事をやってくれる後輩がいる。
契約書を回収すれば、その後の管理をしてくれる。
業務進捗が遅れていれば、
「これどうなってます?」
と確認してくれる。
人手が必要な仕事があれば、気づいたら手伝ってくれている。
別に俺が、
「これやっといて」
と頼んでいるわけではない。
勝手にやってくれているのだ。
「なんて(都合の)いい後輩なんだろう!
とか思っていた。
すまん。
最初はちょっとした手伝いだった
営業活動においては、細かい仕事が無限に発生する。
客先に行って、商談して、電話して、メールして、見積を作って、契約調整して、事務処理して。
その間にも、
「あの書類どうなった?」
「あれいつまでだっけ?」
みたいな仕事が次々と湧いてくる。
俺は事務処理が壊滅的にできない。
3歩も歩かずに、次やろうと思っていた仕事を忘れる。
一方、後輩はそういうところによく気がつく。
結果として、
後輩「これやっときました」
俺「(そういえばそんな仕事あったな)感謝の神、アザス」
というやり取りが増えていった。
非常にありがたい。
しかし、周りから見ると少し違ったらしい
ある時、別の後輩からこんなことを言われた。
「なんで後輩さんがポン田さんの仕事やってるんですか?」
言われてみれば、その通りである。
事務の人からも、
「この件って、ポン田さんと後輩さん、どっちに聞けばいいんですか?」
と言われることがあった。
ここでようやく気づいた。
俺と後輩の間では成立していたが、
会社の業務として見ると、普通にわかりづらくなっていたのだ。
担当は俺なのに、進捗を把握しているのは後輩。
書類について聞いたら、後輩の方が詳しい。
場合によっては俺に聞くより、後輩に聞いた方が早い。
それはもう、
「手伝ってもらっている」
というレベルを超えている。
上司「お前が先に仕事を終わらせろ」
このことを認識した俺は、上司に相談した。
上司「お前が先に仕事を終わらせろ」
ぐうの音も出ない。
後輩が俺の仕事に手を出す余裕があるなら、その前に俺が終わらせればいい。
極めてシンプルな解決策である。
だがしかし、後輩がやってくれている仕事以外にも、当然俺の仕事はある。
俺としては優先順位5番目くらいの仕事を、
「後輩がやっちゃいそうだから1番目にあげよう!」
とするのも、なんか違う気がする。
仕事の優先順位が、
「重要度」でも「緊急度」でもなく、
「後輩に取られるかどうか」
になってしまう。
それはそれでおかしい。
まさかの説が浮上した
また、これは同僚に相談した時の話なのだが、
「ポン田の仕事をやることに、自分の存在価値を見出してるんじゃない?」
と言われた。
「そ、そうきたカァ〜」
となった。
もちろん本人に聞いたわけではないので、実際のところはわからない。
ただ、後輩の営業エリアは顧客の性質的に成果が出にくい。
そのため同僚からは、
「自分の営業で成果を出しにくいぶん、ポン田さんの仕事を手伝うことで評価されようとしているんじゃないか」
という見立てをされた。
仮にそうだったとしたら、
気持ちはわからなくもない。
ところが。
二人とも評価されてなかった
上司から見えていた景色は、全然違った。
俺。
「自分の仕事を後輩に任せきり」
後輩。
「営業活動をしないで他人の仕事をしている」
誰も得していない。
俺としては助かっていた。
後輩も善意でやってくれていた。
少なくとも俺たちの間では、
「助ける → 助かる」
という関係性だった。
ところが会社から見ると、
「自分の仕事をやらない先輩」
と
「自分の仕事をやらない後輩」
が完成していた。
最悪のWin-Winである。
いや、Lose-Loseか。
ということで、切り離すことにした
そんなわけで、後輩がやっている俺の仕事を切り離すことにした。
もちろん後輩が悪いわけではない。
むしろ今まで散々助けてもらっている。
問題なのは、
「やってくれるからいいか」
で、その状態に慣れてしまった俺の方だ。
ただ、2年近く続いたものをいきなり切り離すのも難しい。
言い方を間違えれば、
「今までありがとう。もう用済みです」
みたいに伝わる可能性もある。
それはさすがに違う。
今まで助けてもらったことにはちゃんと感謝を伝えたうえで、
「ここからは俺がやる」
という形にしていかなければならない。
ということで私は今、
社会人になってそれなりの年月が経ったところで、
自分の仕事を自分でやる
という、非常に高度な取り組みを始めようとしている。

